阿呆ロートルの独り遊び

ほとんどはDIYでカスタムしていった単車の備忘録です

うーぱーにも判る 『レクチの話』 どうせやるなら・・・

一体型の部品として構成されているレクチです。

多くは基盤を樹脂で固めた上でアルミケースに収めてあって分解できません。

幸い、90年以降は常時点灯となり、さらにはEFI車も増えました。しかし、2010以降だとLEDやHIDで省電力を狙った単車も増えました。

ということは、2000~2010あたりの大排気量車のレクチにSWAPできれば、90年前後の中排気量車には余裕のあるチューニングパーツとして流用できる可能性が高いということになります。

※ あくまでも、基本的な考え方を提示していますので、実行に当たっては十分確認のうえ行って下さい。自己責任がうーぱーの美学です!

配線も現在付いているものよりも太いものを用意し、半田やギボシなどの必要十分な接続と、確実な取付をすることが最低条件です。

まずは、自分のマシンの発電形式と回路図の読解。SWAPパーツのカプラー解読から行い、発電電圧を確認のうえ使用して下さい。

レクチは定番の致命的トラブルとして多くの方が情報公開しています。

十分にググって、イメージトレーニングしてから作業して下さい。

VTシリーズの純正レクチは、程度不明でも「希少」とされてプレミア価格です。新品に至っては30000円なんて調子に乗った価格設定で出品する輩までいる始末です。

これが、不人気車のものなら数百円で手に入り、さらに余裕が出来たとしたら・・・

うーぱー諸氏は挑戦する価値が十分あると思いますよ。

 

繰り返しますが、あくまでも自己責任で。

事前調査は最低条件です!!

うーぱーにも判る 『レクチの話』 おれのは大丈夫?

いきなりレクチが死んでも気づかない人は多いです。

週1位のちょい乗りで、バッテリーの自己復電で何となく使えることが多いためでしょう。毎日通勤に使う「うーぱー」だと「なんか、バッテリー弱いな」という違和感を感じるでしょう。

バッテリーが元気な間はまだ気が付きません。

制圧できなくなった過電圧でバッテリーの希硫酸が沸騰・蒸発し起電力が落ちてしまうと、バッテリーが抵抗になって守ってくれていた電装系が自爆し始めます。MFだとバッテリー容器の破裂などのリスクが高まります。

回転に応じて極端にライトが明るくなって切れやすくなるとレクチは終わってると思っていいでしょう。開放型バッテリーだと液面が下がってしまって、フローチューブ周りは酸蝕されていて、ひどければ硫黄のにおいがするでしょう。

こうなったら、レクチとバッテリーは交換して下さい。

この状態が続けば、貴重なECUやCDIなども次々と死んで行きます。

 

予防策としては、レクチの移設や、高容量バッテリーが標準装備された機種からのSWAP、放熱のために積極的にアルミ放熱板やCPU用のヒートシンクをつけてみるなどが有効だと思います。

スペースの都合、過去のMC15にはFZ400用のレクチにCPUヒートグリスを塗り、アルミ板に固定した上でフロントカウル下部に固定したり、サイドカウル後方に付けたりしていました。

今後、FGに細工するなら同様の加工をすると思います。

 

指定が開放型バッテリーのVTですから、日ごろから液面をチェックするだけで状態は想像できると思います。

ほかの車種についても、応用して考えてみれば結構有効な対策になると思います。

うーぱーにも判る 『レクチの話』 へぇ~。そうなんだぁ~っ!?

レクチって言葉を聞いただけで、諦めてしまうようでは、うーぱーとは言えません。

正確には『レギュレート・レクチファイア』と呼びます。

役目は、交流を直流に整流して、電圧を制御して送り出すためのものです。

普通はバッテリーに送り、充電に使いながらホーンやウィンカーなどの電装品を動かします。ライトやプラグはジェネレータからの交流電源を直接使う場合もあります。

 

そもそも電気は化学的発電と物理的発電に大別されます。

化学的発電は、硫酸鉛蓄電池をはじめ、乾電池も含み化学変化によって発生する電子を取り出して使います。高校の化学で出てくる「e-」を使うわけです。

充電可能なものは、外からこの電子を送り込んで、溶解する前の分子に戻せるものを使います。単車のバッテリーもNi-Cd電池も理屈は同じです。

でも、それ以外のものは化学反応できる量(化学的エネルギー)が予め決まっています。いわゆるアルカリとかマンガン乾電池がそうです。再充電も出来ないことはないですが、不安定で危険なので一般には使い捨てとされています。

これらのいわゆる『電池』は、極性が決まった直流電源です。持ち運びや使用が簡単です。

 

物理的発電は殆どの場合『三相交流発電』となります。これも中学・高校で習う『フレミングの法則』です。「電・磁・力」です。モーターを電池につなげば回転を始めます。逆に、モーターのシャフトを手で回せばどうなるでしょう。実は電気が起きるんですね。

ただ、普通のブラシモーターだとカーボンブラシがスイッチになっているため一歩通行なので、都合よく直流で取り出すことは出来ません。そのためジェネレーターというちょっと変わったモーターの中身みたいな部品があるわけです。

磁石のそばをコイルが通過すれば「電磁誘導」によって電流が起きます。ただし、距離と磁極の関係で交流波形で発電は行われます。三相というのはこのコイルが3つ等間隔で配置され効率よく発電できるようにした物です。

交流は作りやすいけれど保存に向かない電気です。

問題は、単車に限らず白熱球以外の電化製品の制御回路が、直流で動くことです。

だから電圧と周波数が安定した(100V/60Hzなど)コンセントで動く家電品には共通した部品があります。『電源トランス』と『セレンブリッジ』です。

トランジスタ回路は5Vで動くし、スピーカー回路は12Vで動いてみたりします。その電圧を決めるのがトランス(変圧器)の役目です。そして交流のままでは使えないので直流にするための整流器としてブリッジがあります。

 

単車の発電はエンジン回転に応じて発電圧と周波数が変わります。そのため発電された電力をバッテリー向けに18V程度に落とし(レギュレータ)直流化(レクチファイア)させる必要があるわけです。

余分な電圧を熱に換えて降圧させる方式のため、自分の放熱だけでアポトーシスしてしまうことさえあるのに、VTの取付位置は後バンクのすぐそば。放熱不良で死亡と言うのが定説です。

 

続けましょうかね・・・・・